- 制作:Key (株式会社ビジュアルアーツ)
- プレイ時間の目安:100時間
- 総合評価:★★★★★
▼ 目次
リトルバスターズ! エクスタシーのコンセプト・概要
(Little Busters! Ecstasy Tracks 10: “Sha La La Ecstasy”)
主人公と幼馴染たちは、かつてリトルバスターズというチームを作っていました。
それは正義の味方気取りの、子供の遊びでした。その5人が高校生になり、また何かをしようと考えます。
チームのリーダー、恭介が「野球チームを作ろう、チーム名はリトルバスターズだ!」と言ったことによって、幼馴染とヒロインたちの野球チームができ、それぞれの物語が始まります。
18禁のエロゲーではありますが、エロよりもストーリーや幼馴染たちの友情に焦点を当てられています。
このゲームには、とあるひとつの「謎」があります。
女の子と仲間たちと青春を謳歌しつつ、その謎を少しずつ解き明かし立ち向かっていくことが、このゲームのコンセプトです。
リトルバスターズ! エクスタシーの特徴・売りにしてる部分
このゲーム最大の魅力は、なんといってもストーリーです。
それも、女の子たちとの個別ストーリーではなく、女の子を全員攻略し終わった後のリフレインという名前のストーリーです。
このリフレインこそが最大の売りです。
このリフレインまで行くのにものすごい時間がかかりますが、これからプレイする人には、女の子の攻略だけで終わってしまってはもったいなさすぎるので、是非頑張ってたどり着き、世界の秘密を解き明かし、過酷な試練を乗り越えてほしいと思います。
リトルバスターズ! エクスタシーのシナリオについての評価
※ここから少しネタバレがあります
女の子たちとのストーリーも、心情や作りがしっかりしていてやりごたえがあります。
ですが、何といっても、リフレインと呼ばれる女の子たちの攻略が終わってからのストーリーが素晴らしいです。
このリフレインで明かされるのは、今まで過ごしてきた世界は現実世界ではなく、修学旅行のバスで事故にあってしまった、傷ついて死にかけている仲間たちの作り出した世界であるということです。
そして、生き残る見込みのある、主人公ともう一人の女の子のために、その世界で二人が強くなれるように試練を与えていました。
夢の世界での体験がにぎやかで楽しかったからこそ、その現実がとてもつらいです。
守られるだけだった二人が、今度はみんなを救うために奮闘する様は泣きました。
守られるままにみんなの死を乗り越えるのか、世界を作った中心人物、幼馴染の恭介の予想すら超えてみんなの死そのものに抗うのかという選択は震えます。
抗うために、テキスト形式の選択肢をいくつも選ぶのですが、緊張感がたまりません。
ほんの少しのほころびすら許されないけれど、その過酷を乗り越えてこそのハッピーエンドには、100時間ものプレイをしてよかったと心から思えます。
※これ以降ネタバレはありません
(雨のち晴れ)
リトルバスターズ! エクスタシーの面白かった点・良かった点
本作では、野球ゲームやその他のミニゲームなど、遊び要素も満点です。
最初は負けてばかりですが、周回するごとに勝てるようになるので作業感がなくて楽しいです。
上述したリフレインのシナリオはもちろんですが、ヒロインたちとのシナリオも出来がいいです。
ヒロインはみんな、かわいくて健気でつらい過去を持っていて、仲間たちと乗り越えていくのは絆が深くなった感じがします。
特にはるちんという女の子の話がお気に入りです。彼女の実家の旧家の生々しさ、彼女と家族の苦悩がしっかりと描かれています。
また、女性だけではなく男性キャラクターが魅力的です。
破天荒ですがリーダーシップがあるチームリーダーの恭介、筋肉馬鹿ですが頼れる真人、かっこいいけれど一番子供な謙吾などです。
魅力的な仲間たちとのかけがえのない青春を疑似体験できることが、とてもよかったです。
リトルバスターズ! エクスタシーの不満だった点・問題点・難しかった点
最後の難関、バスの事故から全員を救うための選択肢が難しすぎて何度もやり直しました。
これについてはそこまでの難易度の試練を乗り越えないと、ハッピーエンドにはいけないという厳しさを感じられるので不満はありません。むしろそこまでの高難易度でよかったと思います。
ストーリーに文句はないし最高だと思うけれど、リフレインのシナリオ、そこに至るまでが長すぎるのが不満です。
前半に、ストーリーとはおよそ関係のない雑談が多すぎます。
内容はかわいくてほほえましいのですが、さすがに量は考えてほしいと思いました。
私はリフレインの存在を知っていたからこそ飽きずにそれに向かってゲームを進められましたが、リフレインの存在を知らない場合、途中で飽きるのではないかと思いました。
リトルバスターズ! エクスタシーの全体的な感想
(Little Busters ex: saya’s song)
男の子も女の子も、リトルバスターズチームのキャラクターすべてが好きになります。
無個性であるはずの主人公にすら愛着がわきます。
プレイ時間はかなりのものになるし、リフレインのシナリオまで行くのに全員攻略が条件で、早く世界の秘密が知りたい!という人にはやきもきするかもしれないです。
ギャルゲーやエロゲーはみんなそうなのか、ストーリーにはあまり関わらないどうでもいい雑談が多かったので、それを省いてくれればなおよかったかなと思います。
でも、だからこそ、最後の最後に試練を乗り越えて、ハッピーエンドまで行ったときは、「ここまで長かったけれど、乗り越えられた」と本当に感動しました。
ゲームでもたくさんこのセリフが言われますが、本当に、「リトルバスターズ、最高!」です。