- 制作:ETERNAL
- プレイ時間の目安:80~100時間
- 総合評価:★★★★★
▼ 目次
輝光翼戦記 天空のユミナのコンセプト・概要
試験では常に赤点のメインヒロインの翠下弓那。
次、赤点を撮ってしまうと留年してしまうと言う、追試験をとある事情から受けられず留年の危機に瀕してしまう。
どうにかして留年を回避するために奔走する弓那は「星徒会長になると学園のルールを1つ変えることができる」権限を得られる星徒会大戦(普通で言うところの生徒会長選挙)に論説部の黒河雲母にそそのかされ参加する。
星徒会大戦はイシリアルシステムという思考を映像化するシステムを使い、候補者が1つのテーマに対して論説戦を行い、最終的に支持率が高かった候補が勝利する。
論説戦はトーナメント形式で行われ、最後まで勝ち抜いた候補者が新しい星徒会長になるため、時には相手の選挙活動を妨害したり、自分の支持者を増やすために奔走する。
ADVだけでは無く、論説戦では独自の戦闘システムが組み込まれており、ただシナリオを読み進め対戦相手の情報を調べるだけで無く、論説戦に勝利するためのより強いスキルを獲得するためにダンジョンに挑戦するなど、普通のADVゲーム以外の楽しみもあります。
輝光翼戦記 天空のユミナのゲームの特徴・売りにしてる部分
スパロボ風の論説戦(戦闘システム)が搭載されている所が他のADVとは大きく異なる点です。
論説戦では最大4人ずつのチーム戦で行われ、主に攻撃を担当するフォワード1人、フォワードの補助をしたり相手の邪魔をするバックヤード3人という構成で行われます。
参加するキャラは全員まえもってスキルがセットされ、戦闘ターンが始まるとセットされたスキルの内容にそって行動します。
まず、フォワードが行動しそれに対して敵味方のバックヤードが割り込みを行い、フォワードのスキル発生を止めたり、パラメータを増減させたりする応酬を行い最終的に相手のHPを0にすると共に、スキルを発動するごとに増減する支持率の過半数を獲得する事を目指すします。
対手をただ倒す(論破)するだけでなく支持率も集めるため単純に強力な攻撃をするだけでは勝利できません。
スキルの入手も独特でLvアップで習得するのではなく、トレーニング用のダンジョンに挑戦してそこに出現するモンスターから入手する必要があり、さらに、入手するスキルのほとんどには追加の効果が付加されているため、1つ入手しただけで無くより性能の高いスキルを吟味し選別するたのしさがあります。
輝光翼戦記 天空のユミナのシナリオについての評価
ゲームスタートすると、
- ほぼ同時に留年が決まってしまうメインヒロインの弓那
- 何事にも事なかれ主義で常にやる気は無いけどやるときはやる主人公の歩武
- 自他共に認めるどSな論説部部長の雲母
- 突然転校してくるとともに強引論説部に入部した藍
などが出てきて、強烈なキャラが多いです。
普通に会話しているだけなのに、どんどん会話の内容が脱線してヒドイ会話になっていったり、時にはシリアスに、それぞれの悩みや思いが語られるなど、起伏もあり楽しいシナリオになっています。
さらに、
- ダンジョンのファンタジー世界にも専用のシナリオが用意されていたり
- 最初は留年回避のために星徒会長を目指していたのに、いつの間にか地球連邦の軍人に襲われたり
- 宇宙戦艦に乗って宇宙の各地に出現する怪獣もどきと戦ったり
- 別の宇宙(その宇宙の文明の戦力とかでは無く本当に宇宙そのもの)が攻めてくる
という、宇宙そのものを救う戦いに巻き込まれていくなど、ジェットコースターの様にシナリオが展開し飽きません。
輝光翼戦記 天空のユミナの面白かった点・良かった点
シナリオのテンポが良く各キャラクター性もそれぞれ立っており、完全な敵役以外キライになるようなキャラクタはいませんでした。
戦闘も1つのスキルを使い続けるだけでは到底勝利出来ない敵キャラがいるなど、使うスキルや順番、バックヤードスキルの発動タイミングやキャラの配置を良く考えなければ、こちらの行動が全て封殺されて全く行動出来ないうちにゲームオーバーになってしまうこともあります。
ただ攻撃力が高い、ただHPが多いだけの敵キャラがほとんどおらず、ボスキャラそれぞれに勝つための方法や準備を考えるのがとても楽しいです。
逆に、言ってしまえば全て計算してスキルのセットを行えば、ラスボスであろうとほぼ手を出させずに勝利する事も可能ともいえる自由度もあります。
ダンジョンもただ潜るだけで無く、クエストが受注出来たり、クエストの進行によって独自のストーリーが進んで行くので、ただダンジョンに行って帰って来るだけの作業になっていない点もいいです。
歌スキルというヒロインの弓那が戦闘中に歌うスキルを使うと、発動中は常に戦闘のBGMがボーカル曲に変更されるなど盛り上がります。
輝光翼戦記 天空のユミナの不満だった点・問題点・難しかった点
戦闘に勝つためにはスキルを用意しなければならず、そのスキルを入手するためには絶対にダンジョンに潜ってダンジョンを探索しつつ敵を倒さなければならないのです。
しかし、ドロップするスキルはランダムなため、目的の物でかつ理想の追加効果を持ったスキルを入手するためには数時間以上ダンジョンでうろうろしなければならずストレスを感じてしまう部分があります。
スキルを使うときも、支持率や5色のリソース値が足りていないと思い通りに使えなかったり、ダメージ計算が複雑なため、スキルの攻撃力から実際にどのくらいのダメージになるのかが推測しづらい(一応、ダメージの目算値は表示されますが……)所もあり、事前の知識が無いととっつきづらい所があります。
また、発売初期のディスクではバグが多いこともあり、WEBページで公開されている修正パッチを当てた方が良いなど、手間もあります。
(後々発売された廉価版の方では全てのパッチがあたった状態になっているようです)
輝光翼戦記 天空のユミナの全体的な感想
バトル有りの学園物かと思いきや、いつの間にかパワードスーツや巨大ロボットが登場したり、声優さんもどこかで聞いたことがある声が聞こえてきたりと、盛りだくさんな内容でとても楽しいです。
戦闘もだれてしまう部分もありますが、戦術をしっかり組めば、例えキャラが育って無くても何とかなってしまったりと、セルフ縛りプレイみたいな事も出来ます。
大変ですが。
天空のユミナのあとも、輝光翼戦記シリーズとして銀の刻のコロナやアルファライドもその後発売されていて、RPGっぽい雰囲気からSLGへと変化していきましたが、どれも一癖も二癖もある独特な物で毎回新鮮な気持ちでプレイ出来ました。